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〔日本の偉人〕

〔ひ〕で始まる日本の偉人

平賀源内

(ひらが げんない)



 平賀源内は、享保13年(1728年)讃岐国寒川郡志度浦出生の江戸時代中頃に活躍した本草学者であり地質学者、蘭学者、医者、殖産事業家、戯作者、浄瑠璃作者、俳人、蘭画家、発明家である。

 幼少時より多才であり、儒学を学び、俳諧なども行うほか、宝暦2年(1752年)頃に長崎に遊学して、本草学とオランダ語、医学、油絵などを学ぶ。2度目の長崎遊学では鉱山の採掘や精錬の技術を学んだという。


 安永5年(1776年)には、長崎でエレキテル(静電気発生機)を入手し、修理して復元したことは有名である。



 平賀源内は、様々な分野で活躍したが、各分野ごとに「号」を使い分けていた。画号や俳号などは惚れ程奇異ではないが、それ以外の号については、遊び心がたっぷりで面白い。

 〔画号〕鳩渓(きゅうけい)
 〔俳号〕李山(りざん)
 〔戯作者〕風来山人(ふうらいさん じん)
 〔浄瑠璃作者〕福内鬼外(ふくうち きがい)
 〔殖産事業家〕天竺浪人(てんじくろうにん)
 〔細工物作り〕貧家銭内(ひんか ぜにない)


 平賀源内は、幼少時より特異な才能を発揮し、多くの発明をした。

 11歳のときには、「お神酒天神」というカラクリ付きの掛け軸を考案した。一見、人の姿が描かれた普通の掛け軸だが、後ろのひもを引っ張ると、お酒に酔ったように、顔が段々赤くなるというものです。

 長崎遊学から帰った28歳のときには、現在の「万歩計」のおうな「量程器」を作り、藩の重臣木村季明の求めで、現在の「方位磁石」に相当する「磁針器」を考案する。

 36歳のときには、「水平をだす道具」である「平線儀」を作る。そして火で燃えない布「火浣布(かかんぷ)」を創出する。火浣布とは、『竹取物語』にも登場する「火ねずみのかわごろも」のことで、平賀源内は石綿で織物をつくり火浣布と名づけたのである。

 40歳のときには、「タルモメイトル(寒熱昇降器)」を作る。これはいわゆる寒暖計のことで、彼はオランダ製の寒暖計を見て、すぐに原理を理解し、これを作りだした。

 48歳のとき、彼の名を世に轟かせた「エレキテル」の復元に成功する。彼が2回目に長崎に遊学した際、壊れたエレキテルを持ち帰り、それを7年後に復元したのである。彼の復元したエレキテルは、現在風に言えば、「摩擦静電気発生装置」であり、今でも2台が現存する。

 源内は、7年間の歳月をかけて、試行錯誤を繰り返し、蓄電装置や摩擦装置などの構造 に工夫を重ね、外国文献とも異なる形で復元している。

 源内は、これらの発明以外にも、数多くの発明を行った。優れた科学者として立派な業績を残した。

 平賀源内には、さらに優れた才能がある。彼は、風来山人の筆名で多くの書籍も書き、その内容や文体で江戸時代の人々を魅了し、「江戸戯作の開祖」と呼ばれる。

 また、それ以前には浄瑠璃といえば、大坂で人気のある浄瑠璃を江戸で再上演するものが主流であった。源内は、江戸を舞台にして、江戸弁で書かれた、筋書きも面白い浄瑠璃を書いた。「福内鬼外」が浄瑠璃での筆名で、彼は「江戸浄瑠璃の開祖」とも言われているのである。


偉人のプロフィール

〔平賀源内〕のプロフィール。

〔平賀源内〕

平賀源内の肖像・写真 
(出典:ウイキペディア)
プロフィール
通称 〔通称〕
・平賀 源内(ひらが げんない)

本名 〔本名〕
・平賀 源内(ひらが げんない)

別名 〔通称〕源内・元内
〔韓〕国倫(くにとも)
〔字〕字は子彝(しい)
〔画号〕鳩渓(きゅうけい)
〔俳号〕李山(りざん)
〔戯作者〕風来山人(ふうらいさん じん)
〔浄瑠璃作者〕福内鬼外(ふくうち きがい)
〔殖産事業家〕天竺浪人(てんじくろうにん)
〔細工物作り〕貧家銭内(ひんか ぜにない)

称号
時代 〔時代〕
・江戸時代中期

生誕 〔生誕〕享保13年(1728年)
〔生誕地〕讃岐志度浦

死没 〔死没〕安永8年12月18日(1780年1月24日)(享年52歳)
〔没地〕小伝馬町 獄死
〔墓所〕浅草総泉寺

・源内は、請け負った大名屋敷修理の際、酔っていたために修理計画書を盗まれたと勘違いして大工の棟梁2人を殺傷してしまい投獄され、破傷風により獄死してしまう。

国籍 日本国
言語 日本語
居住地
学歴 〔就学〕
・藩医の元で本草学と儒学を学ぶ。
・俳諧グループに属し俳諧を行う。
・長崎へ遊学、本草学とオランダ語、医学、油絵などを学ぶ。
・本草学者田村元雄(藍水)に師事して本草学を学ぶ。
・漢学を習得のため林家に入門、聖堂に寄宿する。
・2回目の長崎遊学では鉱山の採掘や精錬の技術を学ぶ。

職業 〔職業〕
・江戸時代中期の本草学者
・地質学者
・蘭学者
・医者
・殖産事業家
・戯作者
・浄瑠璃作者
・俳人
・蘭画家
・発明家

分野 〔ジャンル〕
・科学研究
・医学
・文筆
・発明

所属
業績 〔業績〕
・平賀源内は、江戸時代にあって、真の科学者であった。彼は西洋の科学的道具などを研究し、自ら同様なものを復元するなどの偉業を成し遂げた。

・源内の研究には、子供時代の発明「お神酒天神」からはじまり、現代でいえば、「万歩計」や「方位磁石」「水平儀」「火ねずみのかわごろもこと、不燃布」「寒暖計」「摩擦静電気発生装置」など多数がある。

・源内は、また優れた文才の持ち主で、「江戸戯作の開祖」とか「江戸浄瑠璃の開祖」とも呼ばれた。

作品 〔著作〕
 『木に餅の生弁(なるべん)』
 『根南志具佐』
 『風流志道軒傳』
 『長枕褥合戦』
 『痿陰隠逸傳(なえまらいんいつでん)』
 『根無草後編』
 『里のをだ巻評』
 『放屁論(へっぴりろん)』
 『放屁論後編』
 『天狗髑髏鑒定縁起(しゃれこうべめききえんぎ)』
 『菩提樹之弁』
 『飛んだ噂の評』
 『金の生木』

〔浄瑠璃〕
 『神霊矢口渡』
 『源氏大草紙』
 『弓勢智勇湊』
 『嫩榕葉(わかみどり)相生源氏』
 『前太平記古跡鑑』
 『忠臣伊呂波実記』
 『荒御霊(あらみたま)新田神徳』
 『霊験宮戸川』
 『実生(みばえ)源氏金王桜』

受賞歴
名言 〔平賀源内の名言〕



サイト
その他