〔三千家〕
茶道の流派は、細かく分ければ、500以上もあるとされるが、三千家とは、千利休を祖とする茶道の宗家である三家(表千家、裏千家、武者小路千家)を総称していう呼称である。
千利休の孫、千宗旦(せんのそうたん)が、千利休のわび茶の道を極めながら、千家を復興させ、3人の息子にそれぞれ宗家を興させた。経済的基盤を固めるために、それぞれ大名に出仕させ、三千家の礎を確立させた。
千宗旦には4人の息子がいたが、長男は勘当されたため、次男、三男、四男が三家の宗家となり、それぞれに家元制度を確立していき、現在に至っている。
それぞれの宗家により、茶の淹れ方や作法に若干の違いはあるが、その本質は千利休が確立した「わび茶」の心にあることに違いはない。
〔ふくさの色〕
お客様におもてなしをする亭主や半東が腰に身につける帛紗(ふくさ)の色や柄が違う。
(裏千家)
男性:紫色
女性:赤色
(表千家・武者小路千家)
男性:紫色
女性:朱色
〔お抹茶(薄茶の場合)〕
(裏千家)
よく泡立てる。
(表千家・武者小路千家)
あまり泡立てない。
〔正座の仕方〕
(裏千家)
男性:こぶし2つ分両膝をあけて座る。
女性:こぶし1つ分あけて座る。
(表千家)
男性:安定する広さに両膝をあける。
女性:こぶし1つ分くらいに膝をあけて座る。
(武者小路千家)
男性:こぶし1つ分あけて座る。
女性:膝を開かずに正座する。
〔お辞儀の仕方〕
(裏千家)
お辞儀をする方法に、真(しん)、行(ぎょう)、草(そう)と呼ばれる3種類があり、場面により使い分けられる。
真:おなかが膝につくほどの丁寧なお辞儀。
行:前に身体をかがめるほどのお辞儀。
草:軽くするお辞儀。
(表千家)
八の字に両手をつき、横からみて30度くらいの角度までお辞儀をする。
男性:両手を20cm位あける。。
女性:両手を7~8cm位あける。。
(武者小路千家)
男女とも左手が前になるように両手を膝の前で軽く合わせてから、軽く指先を畳につけて背筋を伸ばしてお辞儀をする。
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