純粋な塩や純粋な水は電気を通さないが、塩の水溶液は電気伝導体になる事実に着目し、水溶液中では塩が解離して荷電粒子になると考えた。ずっと以前にファラデーが塩の水溶液を通電すると、電気分解によってイオンが発生するとしていたが、アレニウスは電気を流さない状態でも水溶液中にはイオンが存在すると考え、水溶液中の化学反応はイオン同士の反応に他ならないと考えたのである。
イオンの理論を発展させる中で、アレニウスは重要な酸と塩基の定義を提唱しました。水溶液中で水素イオンを発生させるものは酸であり、水酸化物イオンを発生させるものは塩基であると定義しました。
その後、スウェーデン王立科学アカデミーから海外渡航の援助を得て、各地でボルツマンやファント・ホッフなどの著名な科学者の下で学びます。
1889年には、多くの化学反応を進行させるには熱エネルギーが必要であることから、二つの分子が化学反応するには乗り越えるべきエネルギー障壁があると考え、活性化エネルギーの概念を定式化しました。アレニウスは、〔アレニウスの式〕と呼ばれる、任意の温度での化学反応速度を予測する式を提示しました。
アレニウスは、過去に何故、氷河期が存在したのかを研究し、大気中の二酸化炭素の量の変化が温室効果によって地表温度に影響を与えるとの考え方を歴史上初めて示しました。
二酸化炭素の量が等差数列的に増大すると、大気温度はほぼ算術級数的に増大するとしました。
彼の業績は〔アレニウスの式〕の他にも、月面クレーター〔Arrhenius:アレニウス〕にも残されています。また、ストックホルム大学の研究所名などに名を残しています。
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