アガメムノン |
アガメムノンは、ギリシア神話に現れる英雄で、アガメムノーンとも表記されます。 アガメムノンは、ミュケーナイの王であり、トロイア戦争におけるギリシア軍の総大将でした。 アガメムノンは、傲慢無比、貪欲な男であり、自らの欲望のためにはどんなことも行う男だったとされています。 |
アガメムノンは、傲慢非情であり、所有欲の強い男であったといわれます。父の死後、ミュケーナイ王となり、全ギリシアをまとめあげました。 絶世の美女である、クリュタイムネーストラーを、いとこであり夫であるタンタロスを殺害して奪い、彼女との間に3人の子供をもうけます。 スパルタ王である弟、メネラーオスの妻ヘレネーが、小アジアに位置するトロイアの王子パリスに奪われたことに憤り、全ギリシアから志願者を募ってトロイア戦争を起こします。 出征時に逆風が吹き船出できなくなったとき、娘であるイーピゲネイアを生贄として女神アルテミスに捧げよとの予言を受け、苦悩の末にそれに従い、船出したとされる。 戦勝後にトロイア王女カッサンドラーを自らの愛妾として連れ帰ります。その後、妻とその情夫アイギストスとにより暗殺されてしまいます。この事件は、悲劇作家アイスキュロスのオレステイア三部作の一つ『アガメムノーン』に詳しく述べられています。 アガメムノーンは、ギリシア方の王たちを率いて戦ったため、ローマの時代には「王の中の王」と呼ばれていました。 1876年に考古学者んであるシュリーマンによって、いわゆるアガメムノンのマスクが発見されました。これは金でできた埋葬用の仮面で、シュリーマンはこれこそ伝説上のギリシャの指導者アガメムノンの死体と信じたため、この名称がついています。現実には、このマスクはアガメムノンの時代より古い紀元前1550~1500年のものであると判明していますが、〔アガメムノンのマスク〕という呼称はそのまま使われています。 |