アウグスティヌス |
アウレリウス・アウグスティヌスは、古代キリスト教の神学者・哲学者・説教者・ラテン教父とよばれる一群の神学者たちの一人です。 古代キリスト教世界のラテン語圏での理論家として大きな影響力を誇っていて、カトリック教会・聖公会・ルーテル教会・正教会・非カルケドン派で聖人とされています。 |
アウグスティヌスはキリスト教徒の聖人である母モニカと異教徒の父パトリキウスの子として、北アフリカのタガステで生まれました。 彼は西方第2の都市カルタゴで弁論術を学びました。383年、当時のローマ帝国の首都であったローマに行き、更に翌年には宮廷所在地ミラノで弁論術の教師をしました。 当初、善悪二元論のマニ教を信奉していたが、キケロの『ホルテンシウス』を読み哲学に関心をもち、マニ教に幻滅を感じるようになり、387年に洗礼をうけキリスト教徒になります。 387年、母モニカが没した後、アウグスティヌスはアフリカに戻り修道院生活を送るようになります。この時、彼が定めた規則は「アウグスティヌスの戒則」と呼ばれ、キリスト教修道会規則の一つとなっています。 391年には、当時カルタゴに次ぐアフリカ第2の都市ヒッポの教会の司祭になり、更に396年には司教に選出され、その時初めて聖職者としての叙階を受けています。 彼の著作には、魂や時間・自由・意志・神の国・来世などに関する論考、聖書への注解、音楽論などがあります。 主な著作に次のようなものがあります。 『告白』 『三位一体論』 『ヨハネ福音書注解』 『神の国』 彼は若い時代に氏名不詳の女性と15年間にわたって同棲したが、後に著書『告白』の中で回想し、「私は肉欲に支配され荒れ狂い、まったくその欲望のままになっていた」と述べています。 |