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〔地域別偉人〕

〔ヨーロッパ圏の偉人〕

オーストリアの偉人





地域別世界の偉人リスト

〔オーストリアの偉人〕の紹介リスト。

カフカ

 フランツ・カフカは、現在のチェコ出身のドイツ語作家である。プラハのユダヤ人の家庭に生まれ、保険局に勤めながら作品を執筆した異色の作家である。

 代表作には、『失踪者』『変身』『審判』『城』などの数編の長編小説がある。数多くの短編小説がある。

 また、無数の日記や手紙などが存在するが、多くが未完の小説の断片というべきものである。

 このため、彼の作品は生前にはあまり評価されていなかったが、現在では20世紀の文学を代表する作家のひとりとされている。

カラヤン

 ヘルベルト・フォン・カラヤンは、オーストリアのクラシック音楽指揮者である。彼の音楽性は、〔カラヤン美学〕と呼ばれ時代の寵児であった。

 1955年~1989年までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の終身指揮者・芸術監督を務めた。

 また、ウィーン国立歌劇場の総監督やザルツブルク音楽祭の芸術監督などのクラシック音楽界の主要ポストを独占した。

ゲーデル

 クルト・ゲーデルは、現在のチェコ(オーストリア・ハンガリー二重帝国)ブルノ生まれの数学者・論理学者である。

 ゲーデルは、1924年にウィーン大学に入学し物理学、数学を学ぶ。1930年に最初の重要な業績として「第一階述語論理の完全性定理」を発表し学位を取得する。

 翌年1931年には、ゲーデル数の概念を構築し、有名な「不完全性定理」を発表する。

シューベルト

 シューベルトは、オーストリアの作曲家である。天才作曲家として有名で、ロマン派の代表的作曲家である。

 彼は、各分野に多くの名曲を残したが、生涯の作曲数は1000曲以上にも及ぶ。中でも、ドイツ歌曲において功績が大きく、しばしば「歌曲の王」と称される。

 器楽の分野でも、室内楽や交響曲において、現在でもよく演奏される楽曲を残した。

シュレーディンガー

 シュレーディンガーは、オーストリア出身の理論物理学者である。彼は、次のような波動形式の量子力学を提唱し、量子力学の発展を築き上げた。

・波動形式の量子力学である「波動力学」を提唱
・量子力学の基本方程式であるシュレーディンガー方程式の提唱
・シュレーディンガーの猫などを提唱

 1933年、イギリスの理論物理学者ポール・ディラックと共に「新形式の原子理論の発見」の業績によりノーベル物理学賞を受賞した。

シンドラー

 シンドラーは、オーストリア=ハンガリー帝国:メーレン地方ツヴィッタウで生まれたドイツ人実業家である。

 第二次世界大戦時、東欧のドイツ占領地でナチスドイツによるユダヤ人の組織的大量虐殺(ホロコースト)が進む中、シンドラーは自身が経営する軍需工場に必要だとの名目で絶滅収容所送りを阻止し、1200人ものポーランド系ユダヤ人を虐殺から救ったことで知られる。

 シンドラーの功績は、スティーヴン・スピルバーグ監督により映画『シンドラーのリスト』で描かれ、第66回アカデミー賞で12部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞の7部門を受賞している。

ドップラー

 ドップラーは、オーストリアの物理学者・数学者・天文学者である。

 1842年、運動する振動源と観測者との相対運動によって、観測される振動数が変化する現象を研究して、〔ドップラー効果〕と呼ばれる数学的関係式を導いた。

 1845年、オランダの化学者・気象学者クリストフ・ボイス・バロットが、列車に乗ったトランペット奏者にGの音を吹き続けさせ、それを絶対音感を持つ音楽家に車外で聴かせ音程の変化を確認させて証明した。

ドボルザーク

 アントニン・レオポルト・ドヴォルザークは、後期ロマン派におけるチェコの作曲家であり、チェコ国民楽派を代表する作曲家である。ブラームスに才能を見いだされ、『スラヴ舞曲集』で一躍人気作曲家となった。

 スメタナとともにボヘミア楽派と呼ばれる。その後、アメリカに渡り、音楽院院長として音楽教育に貢献する傍ら、ネイティブ・アメリカンの音楽や黒人霊歌を吸収し、自身の作品に反映させている。

 代表作に、弦楽セレナード、管楽セレナード、ピアノ五重奏曲第2番、交響曲第7番、交響曲第8番、交響曲第9番『新世界より』、スラヴ舞曲集、この分野の代表作でもあるチェロ協奏曲、『アメリカ』の愛称で知られる弦楽四重奏曲第12番などがある。

ニコラ・テスラ

 ニコラ・テスラは、19世紀中期~20世紀中期に多数の重要な発明をした、電気技師、発明家である。彼は、8か国語に通じる天才であり、詩作、音楽、哲学にも精通していたという。

 彼は、交流電流やラジオ、蛍光灯などの現在の文明の担い手となる電気・電子技術を発明した。また、空中放電実験で有名ないわゆるテスラコイルを初めとする多くの発明を行った。無線送電システムを提唱したことでも知られる。

 磁力の強度を表す、磁束密度の単位「テスラ」にその名を残している。

ヒットラー

 ヒトラーは、オーストリア及びドイツ国の政治家、軍人、画家である。指導者原理に基づく党と指導者による独裁指導体制を築いたため、独裁者の典型とされる。

 国家社会主義ドイツ労働者党(NSDAP)党首として1933年にドイツ首相に就任。翌年、ヒンデンブルク大統領の死去に伴い、国民投票を経て「指導者(フューラー)兼首相」として国家元首の座に就く。この地位を日本語では慣例的に「総統」と呼んでいる。

 彼が政権にあった時期のドイツを指して「ナチス・ドイツ」「ドイツ第三帝国」と呼ぶことがある(第三帝国については第一は神聖ローマ帝国、第二はドイツ帝国の事を指す)。

 後、1945年4月30日に赤軍攻囲下のベルリンで自殺するまでその地位にあった。



フロイト

 フロイトは、オーストリアの精神分析学者、精神科医である。神経病理学者を経て精神科医となり、神経症研究、心的外傷論研究(PTSD研究)、自由連想法、無意識研究、精神分析の創始を行い、さらに精神力動論を展開した。

 非常に詳細で精密な観察眼を示す症例報告を多数残したが、現在においても次々と新しい角度から研究されている。

 フロイトの提唱した数々の理論は、のちに弟子たちによって後世の精神医学や臨床心理学などの基礎となったのみならず、20世紀以降の文学・芸術・人間理解に広く甚大な影響を与えた。

 現代思想、特に大陸哲学、フランス現代思想の哲学者に大きな影響を与え、精神分析を基調とする哲学の創始者とされる。

ボルツマン

 ボルツマンは、オーストリア・ウィーン出身の物理学者、哲学者であり、ウィーン大学教授である。統計力学の端緒を開いた功績のほか、電磁気学、熱力学、数学の研究で知られる。

 ボルツマンは、ジェームズ・クラーク・マクスウェルらに続いて、気体分子運動論を研究、分子の力学的解析から熱力学的な性質を説明する統計力学を創始した。

 その研究の過程で、1872年にH定理により熱現象の不可逆性を証明した。いわゆるエントロピーの増大である。

 1884年には、ヨーゼフ・シュテファンが実験的に解明した、黒体放射が温度の4乗に比例するという法則に、理論的な証明を与えた。この法則はシュテファン=ボルツマンの法則として知られている。

マッハ

 マッハは、オーストリアの物理学者、科学史家、哲学者である。

 ウィーン大学で学び、グラーツ大学の教授(数学、物理学担当)、プラハ大学の教授(実験物理学担当)の職を経験後、1895年にウィーン大学教授として招聘され、新設された〔機能的科学の歴史と理論〕という講座を担当した。

 マッハは、超音速気流の研究でも有名であり、1877年、静止流体中を運動する物体が音速を超えた場合、空気に劇的な変化が起き衝撃波が生じることを実験的に示した。

 彼のこの業績にちなみ、音速を超える物体の速度を表す、物体速度と音速との比率を「マッハ数」と呼んでいる。

メンデル

 メンデルは、オーストリア帝国・ブリュン(現在のチェコ・ブルノ)の司祭である。植物学の研究を行い、〔メンデルの法則〕と呼ばれる遺伝に関する法則を発見したことで知られる。〔遺伝学の祖〕とも呼ばれる。

 彼が、遺伝の法則を唱えた頃でも、遺伝現象は知られていたが、遺伝形質は交雑とともに液体のように混じりあっていく(混合遺伝)と考えられていた。

 メンデルの業績はこれを否定し、遺伝形質は遺伝粒子(後の遺伝子)によって受け継がれるという粒子遺伝を提唱したことである。

モーツアルト

 オーストリアの作曲家・演奏家で、古典派音楽の代表とされる。ハイドンやベートーヴェンと並んでウィーン古典派三大巨匠の一人でもある。オペラに『後宮からの誘拐』『フィガロの結婚』『魔笛』などがある。また、多くの宗教音楽や交響曲、セレナード、ピアノ協奏曲などを残している。

ヨハン・シュトラウス

 ヨハン・シュトラウスは、オーストリアのウィーンを中心に活躍した作曲家・指揮者であり、生涯をウィンナ・ワルツ、オペレッタ、ポルカなどの作曲に捧げた人物である。

 彼は、〔ワルツ王〕とか〔ウィーンの太陽〕〔ウィーンのもう一人の皇帝〕などと称された。

 ヨハン・シュトラウスは、作曲家一族の名称で、1世、2世、3世が知られているが、最も有名なのが2世であり、通常、ヨハン・シュトラウスといえば、この2世を指す。当コーナーでもそれに従っている。