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〔世界の偉人〕

〔ら〕で始まる世界の偉人

ラプラス
(Pierre-Simon Laplace)



 ラプラスは、フランスの数学者・物理学者・天文学者である。彼は、典型的な決定論者であり、これから起こる全ての現象は、それ以前に起きたことに起因すると考えた。

 宇宙に存在する全ての粒子の現時点の運動状態が分かれば、今後の全ての現象は計算可能であるというものである。

 このような概念は、〔ラプラスの悪魔〕とか〔ラプラスの魔〕〔ラプラスの魔物〕と呼ばれている。




 ラプラスの悪魔という概念は、古典的なニュートン力学が主流だった近代科学の時代では、因果律の究極的な終着点であった。

 しかし、量子論が登場して以来、現在では古典的な概念とされるようになっている。量子論においては、どのような粒子の未来も不確実に、確率的に決まるとされるからである。


 ラプラスは、『天体力学概論』や『確率論の解析理論』という名著を残している。『天体力学概論』は、剛体や流体の運動論であり、現在であればさまざまな微分方程式を解く問題に帰着されるが、その時代には画期的な名著で、地球の形や潮汐理論までも論じている。

 数学上でのラプラスの功績は、〔ラプラス変換〕である。これは簡単にいえば、電子回路方程式の汎用的な微分法的式を解く解法として利用される。また、更に重要な点は、時系列的な事象をラプラス変換することで、周波数領域に変換できるという点である。

 システムの入出力を記述した微分方程式から、ラプラス変換により、伝達関数を求め、システムを制御するPID制御理論の原点であり、現在の産業界で汎用されている。

 ラプラスの物理学者・天文学者としてのもう一つの功績は、国際度量衡委員会の委員として、長さの定義を提唱したことである。彼は、地球の北極点から赤道までの子午線弧長を精密に測量し、その1000万分の1をもって基準とすることを提唱した。これが、後の〔1メートル〕の定義の基礎となった。

 ラプラスの数学的な功績に因んで、数学用語に〔ラプラシアン(ラプラス作用素)〕や〔ラプラス方程式〕などが知られ、現在の微分方程式の定義や解法に重要な役割を果たしている。

 また、功績とまでいうほどではないが、彼は、1799年、ナポレオン・ボナパルトの統領政府で短期間ながら内務大臣に登用されたことがある。元老院議員となり、王政復古後はルイ18世の下で貴族院議員となっている。

 1789年にロンドン王立協会のフェローに選出された。


偉人のプロフィール

〔ラプラス〕のプロフィール。

〔ラプラス〕

ラプラスの肖像・写真 
(出典:ウイキペディア)
プロフィール
通称 ラプラス
本名 ピエール=シモン・ラプラス(Pierre-Simon Laplace)
別名

受賞歴
時代 18世紀後半~19世紀前期
生誕 1749年3月23日・フランス:ノルマンディー、ボーモン=アン=オージュ
死没 1827年3月5日(77歳没)・フランス:パリ
国籍 フランス
言語 フランス語
居住地 フランス
学歴 カーン大学
職業 数学者・物理学者・天文学者
分野
所属 〔研究機関〕:エコール・ミリテール(1769-1776)

〔研究分野〕

・数学
・物理学
・天文学

業績 〔主な業績〕

・天体力学
・ラプラス方程式
・ラプラス演算子
・ラプラス変換

作品 〔代表著書〕

『天体力学概論』
『確率論の解析理論』

名言 〔ラプラスの名言〕



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