電磁気学の創始者のひとりであり、〔アンペールの法則〕の発見者です。
彼は、若年にして当時の数学の研究成果をマスターしていたとされ、更に読書好きで歴史や紀行、詩、哲学、自然科学一般を幅広く学んでいました。
アンペールは、フランス中南部の都市リヨンに生まれ、その近郊で成長した。幼少時より知識欲の旺盛なこどもだった。アンペールは、先人数学者であるオイラーやベルヌーイらの研究を学ぶため、独学でラテン語を習得している。
フランス革命の時代、1793年、アンペールの父親はフランス革命に断固反対を唱えたために捕縛され断頭台の露と消えてしまう。アンペールは打ちひしがれ、1年以上ものあいだ無気力状態となる。
しかし、あるとき植物学の投稿前論文に出会い、意欲を取り戻し学問に対する興味を取り戻します。
時がたち、1809年にはリヨン大学での数学教授となり、確率論や部分微分方程式などを研究し、1813年には、科学アカデミー入りを果たします。
アンペールは、磁性と電流の関係を研究し、電流の流れる向きがその周囲の方位磁石の磁針の方向に与える影響を定式化しました。この法則は、電流とそのまわりにできる磁場との関係をあらわす法則であり〔アンペールの法則〕と呼ばれています。業績が電気力学の基礎となり、また19世紀の物理学に大きな影響を与えました。
右手の親指を立てて手を握り、電流を親指の方向に流すと、残りの指の向きが磁界の向きと一致することから、〔右手の法則〕とか〔右ねじの法則〕とも呼ばれています。電流のSI単位である「アンペア」はアンペールの名に因んで定められました。
1827年、電気力学と磁気学に関する『電気力学的諸現象について、実験によりひとつに結論される理論覚え書き』を出版し、電気、電流、電圧の語彙を創始しました。
|