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〔世界の偉人〕

〔や〕で始まる世界の偉人

ヤン・オールト


あ行か行さ行た行な行
は行ま行や行ら行わ行

やゆよ

〔や〕で始まる世界の偉人

ヤコビ(ヤコービ)
ヤン・オールト

 ヤン・オールトは、オランダの天文学者・天体物理学者である。

 恒星の運動を統計的に解析して、銀河系の恒星が地球から見て、射手座方向にある一点を中心に公転していることを発見した。

ヤン・オールトの肖像・写真 
(出典:ウイキペディア)

 電波望遠鏡を用いて、銀河系が渦巻き構造をしていることを示した。

 また、太陽系に到来する長周期彗星の起源として、太陽系を球殻状に取り巻く、いわゆる〔オールトの雲〕が存在することを提唱した。

 ヤン・オールトは、1900年4月28日、オランダのフレンエーケルで医者の息子として生まれた。

 フローニング大学に入学し、1926年に高速度星に関する論文で博士号を取得した。

 一時期、アメリカのイェール大学で研究後、帰国してライデン大学のヘルツシュプルングのもとへ迎えられ、天文学教授となった。ライデン天文台長、オランダ国立電波天文台長、国際天文学連合会長なども歴任した。

 オールトは、師であるカプタインやリンドブラッドが唱えた〔銀河系回転説〕に関連して、太陽系周辺の恒星の固有運動を統計的に処理して、この説を証明した。

 リンドブラッドやシャプレーらは、銀河系の中心は射手座方向5万光年の位置にあるとしていたが、オールトは精密な計算により、3万光年であると指摘し、現在でもこの値が使用されている。

 太陽の公転周期が約2億2500万光年であること、銀河系全体の全質量が太陽の約1000億倍であることを示した。更に、銀河系恒星の公転周期は、銀河中心に近いほど短いことを明らかにした。



 1931年、ベル研究所の無線技術者カール・ジャンスキーは、空電現象の観測中にはじめて天体の電波を捕らえ、ここから電波天文学が発祥した。

 第二次大戦時、ヤンの教え子であるヴァン・デ・フルストは、水素が波長21cmの電波を放出するという予測を行なったが、1951年にオールトはフルストらライデン大学のチームを率いて、この水素が発生する電波(21cm線)の観測に成功する。

 銀河系の構造を意味する、この水素が放出する電波の分布から、ヤンらは、銀河系が渦巻銀河であることを証明した。

 1950年、オールトは、太陽近傍に到来する長周期彗星や非周期彗星の起源として、いわゆる〔オールトの雲〕が存在するとの説を唱えた。  オールトの雲は、太陽系を球殻状に取り巻く仮想的な天体群で、その主成分は、水・一酸化炭素・二酸化炭素・メタンなどの氷であると考えられている。これらの天体の引力が相互に影響して、ときどき元の場所を離れて太陽近傍までやってくるとされ、この仮想的な彗星の母胎雲を、彼の名に因んで〔オールトの雲〕と呼んでいる。

オールトの雲 
オールトの雲 (出典:wikipedia)


偉人のプロフィール

プロフィール
通称 ヤン・オールト
本名

ヤン・ヘンドリック・オールト(Jan Hendrik Oort)

別名

彼の名は稀に「ヤン・オーアト」とも表記される。

称号

時代

20世紀

生誕・生誕地

1900年4月28日・オランダ:フランエーケル

死没

1992年11月5日・オランダ:ライデン

国籍

オランダ

言語

オランダ語・英語

居住地

学歴

フローニンゲン大学

職業

天文学者・天体物理学者

分野

銀河系観測解明

所属

業績

〔主な業績〕

・電波天文学の活用
・銀河系の渦巻き構造解明
・オールトの雲提唱

作品 〔発見〕:オールトの雲

受賞歴

〔受賞歴〕

・王立天文学会ゴールドメダル(1946年)
・ジャンスキー賞(1967年)
・京都賞基礎科学部門(1987年)
・バルザン賞(1984年)

名言

サイト

その他

小惑星(1691)のオールトは、彼に因んで命名された。


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