パスカル |
ブレーズ・パスカルは、フランスの哲学者であり自然哲学者・思想家・数学者・キリスト教神学者です。 彼は、早熟の天才であり、近代的物理学の先駆的業績を残した他、多くの分野に業績を残しました。 早逝したために、自身の目標とした書物のために書き残した断片的なノートが死後になって、遺稿集『パンセ』として出版されています。 |
遺稿集『パンセ』には、パスカルの残した「人間は考える葦である」をはじめとする多数の名文句や〔パスカルの賭け〕などの多数の有名な思弁が含まれています。 パスカルは、その他にも〔パスカルの三角形〕や〔パスカルの原理〕〔パスカルの定理〕などの発見をしたことで有名です。 彼は幼少時より早熟の天才ぶりを発揮し、10歳にもならぬ頃に、三角形の内角の和が二直角になることや、1からNまでの整数の和が 〔(N+1)*N/2〕となることを証明したといいます。 パスカルの父親は自然哲学や科学が得意でその知識をパスカルに授けたとされます。当時一流の数学者や科学者が頻繁に自宅に集まっていたことから、大人たちの話を聞きながら知識を集積し思索を深めたりして、その才能を開花しました。このように、彼は学校ではなく一種の英才教育で育ちました。 1640年、16歳で『円錐曲線試論』を発表します。 17歳の時、当時徴税官の仕事をしていた父親の計算業務を軽減してやろうとの考えだったのか、機械式計算機の設計・試作に着手し、2年後には〔歯車式計算機:パスカリーヌ〕を完成します。しかし、これに没頭し過ぎたために肉体を傷め寿命を縮める原因になったともいわれています。 パスカルには、次のような彼自身の名を冠した有名な数学や物理学上の定理などがあります。 |
「パスカルの定理」 | パスカル16歳で発見した円錐曲線に関する定理 | |
「パスカルの三角形」 | 二項展開における係数を三角形状に並べたもの | |
「確率論」の創始 | 賭け・賭博についての考察より | |
「サイクロイドの求積問題」 | サイクロイドとは、円がある規則にしたがって回転するときの円上の定点が描く軌跡として得られる平面曲線。 | |
「パスカルの原理」 |
流体の平衡についての理論の提唱 力学、物理学における圧力の単位〔パスカル〕として名を残している。 |